理事長所信President Message

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スローガン:「継往開来」

理事長 川村佐平治

第47代理事長 小椋 一依

【はじめに】

1972年、全国で500番目の青年会議所として「地域社会の問題解決や地域社会の発展の責務に“情熱と英知”を集め、勇気をもって立ち向かっていくならば、必ずや明るい豊かな郷土を築きあげることができる」という志を持ち、成田青年会議所が誕生しました。そして、我々の活動地域である空港を中心とした国際都市NARITAは日本の表玄関として国際社会とのつながりを持ち、経済においても密接な提携を実現するために一役を担い、その発展に寄与してきました。

私はこの発展した地域をさらに成長させ持続させていくことが、今を生きる私たちの使命であると信じています。だからこそ、この地域をより良い環境にするために、私たち自身が多くの選択肢の中で迅速に正しいことを選択できるように成長をしなければならないのです。そして、この社会から何を未来に残していかなければいけないのかを私たちが取捨選択する中で地域の課題を解決し、新たな発展の形を見つけ出すことこそが持続する地域につながっていくのです。

我々の地域にも他の地域と同様の課題があり、1995年を境に地域格差や人口減少が拡大し、将来的に存続することが困難な地域も出始めています。格差の拡大は地域経済に大きなダメージを与え、市民の生活環境を一変させ、少子高齢化に伴う人口減少は地場の生産性を著しく低下させ、消費を縮小していくことで地域から活力を失わせます。

この状況を見過ごし、未来に引き継ぐわけにはいきません。まずは、私たちが活力を持って行動をすることで深い考察をできるように成長をし、地域交流のキーパーソンとなり、行政や市民の連携・協働を推進し、地域の持続的発展の礎を築いていこうではありませんか。

会員の成長の機会が様々ある中で、2018年度は日本青年会議所日本創生グループ事業創造会議の議長として植田雅人君、関東地区協議会の会計監査人として川村佐平治君を輩出させていただくことになりました。また、日本JCじゃがいもクラブ2018年度第47回東日本地区大会を主管させていただくこととなりました。成田青年会議所が様々な地域の方々や先輩諸兄と交流を持つことで、広域的な視点で我々の地域を見直す機会です。

会員がすべての機会を逃すことなく成長をし、その青年の力を集結し、多くの挑戦をすることでこの地域の活力となりNARITAの持続的発展を実現していきましょう。


【組織を成長させる会員拡大】

なぜ会員拡大が必要なのでしょうか。それは、会員が常に向上心を持ち新しい人脈の発見を追い求め、新たな交流の中で多くの人の意見を聞き広い視野を持つようになることこそが個を成長させ、それに伴って組織が成長をしていくからです。成田青年会議所の50周年には現在の会員の約40名が卒業をしています。そのことを考えれば、現状維持という保守的な目標を掲げるのではなく、数年後を見越した会員拡大に取り組んでいくことが必要です。

そのために、本年度の会員拡大は、100名を超える会員で成田青年会議所の50周年を迎えるという2017年度で掲げた中期目標をしっかりと引継いでいきます。

次代の担い手たる責任感をもった20歳から40歳までの指導者たらんとする青年が人種、国籍、性別、職業、宗教の別なく、自由な個人の意志によりその居住する各都市の青年会議所に入会できます。

会員の皆様にも青年会議所に入会しなければ出会うことも、同じ志で語り合うことも出来なかった会員がいまは大切な仲間として周りにいるはずです。この限られた時間の中で、より多くの仲間と出会い青年として同じ時代を過ごすことで、未来を見据えた運動を展開することができる青年会議所にしていきましょう。


【当事者意識を育む会員研修】

私たちは仕事や家庭を抱え生活をし、青年会議所の会員として活動をしています。近年のライフスタイルの多様化は、各会員の活動に対する取り組み方にも影響を与え始めています。しかしながら、地域のリーダーであるJAYCEEは、常に人のために働くことで自分自身が成長します。そして人は人によってしか磨かれないのであれば、新たな担いを恐れずに経験を積んだ会員が一段ずつ成長の階段を上り、次世代に自分の経験を活かした指導をしていく環境をつくることが持続的な会員の成長を促すのです。

だからこそ、会員には自分の管理者は自分自身であるという認識を持ち、失敗を恐れず個人の抱える課題を打破し、原体験を積み重ね、改善を繰り返していくことができる挑戦者であってほしいと思います。

当事者意識を持った会員同士が成長を促せる環境を作ることこそが、新たなリーダーを創造し続ける青年会議所の研修の役割であると考えています。


【活力あるNARITAの実現】

地域社会の問題解決が地域社会の発展につながることは間違いありません。では、地域社会の問題に対して地域市民はどれだけ気づき、危機感を感じているでしょうか。

近年のNARITAは、人口、経済、雇用において地域格差が拡大し、地域を支える若者世代の定住率は特に大きな差が出ています。その結果、地域経済に大きな影響を与え、人口減少と経済力の低下の負の循環が起きています。

まちづくりは人づくりといわれるように、今こそ地域に住まう人たちが自分自身の住むまちに興味を持ち、まちの未来について考え、行動を起こしていくことが求められています。本年度、成田山新勝寺は開基1080年を迎え、成田国際空港は開港40年を迎えます。この状況をNARITAの契機として捉え、各地域が個性に気づき連携することが出来れば、独自性を活かした方法で地域の問題を解決していけるはずです。

地域の特性を明確にし、共に成長した地域が連携し、行政区を超えた視点で新たな価値観を創造することで、活力あるNARITAを実現していきます。


【NARITAから発信する第3次ベビーブーム】

日本国内の他の地域と同様に、我々の住む地域も核家族化や少子化が進行し、将来的に地域コミュニティは弱体化することが懸念され、少子高齢化における人口減少は、地域内の経済活動を縮小させ、地域に根付いた文化を衰退させていきます。そして何より未来を担う子供たちが減少した地域は、まちを存続させることが困難になり、活力を失っていくのです。

政府が行ってきた男女共同参画や待機児童対策など子供を産み育てやすい環境を作っていくことはもちろん継続していくことが必要ですが、少子化の大きな原因は非婚化や晩婚化にあるのです。

結婚や出産は当事者の自由な選択に委ねられる中、我々はこの問題に対して英知と情熱を持ち取り組んでいくことが、この地域を存続し明るい豊かな郷土としていくのです。


【公平な青少年健全育成への挑戦】

成田青年会議所では、青少年健全育成を活動の大きな柱の一つとして位置付けています。

それは子供たちが次世代を担っていく存在であり、未来の明るい豊かな社会を創っていくことを信じているからです。子供たちは、様々な経験を通して、自己を確立し、自分自身がどうありたいかを考える中で夢を持ち挑戦をしていくものだと思います。しかしながら、子供たちの生まれ育つ環境によって機会は公平に設けられているでしょうか。

昨年度、UN SDGsに取り組んだ成田青年会議所だからこそ、我々の行っている青少年健全育成が子供たちにとって公平な機会となっているかをもう一度考察していかなければなりません。

継続事業は急激な変化を起こすことはできません。しかし、現状に満足することなく将来を見据え緩やかな変化を起こすことで、全ての子供たちに公平な機会を提供することができると考えています。多くの子供たちがこの地域に愛着を持ち、地域の活力となり、国際空港を擁するこの地域から自由な夢を持ち羽ばたいていけるよう我々も子供たちの未来に真剣に向き合い挑戦を続けていきます。


【価値を高め続ける組織運営】

青年会議所は組織としての対外的な信頼を確立していくことはもちろんのこと、会員に学びの機会を与えられる組織でなければいけません。様々な個性を持った会員が組織に対する共通認識を持ち同じ目的に向かって進んでいくためには、青年会議所という組織を知る必要があります。

青年会議所の起源からその役割を知り、それぞれが帰属意識を持って活動に取り組むことが出来れば、私たちの運動は地域にとってかけがえのないものとなります。

青年会議所の基本である円滑な組織運営も、会員の成長と対外的な信頼を確立するための仕組みであり、規律や管理を徹底し運営することが求められるのです。

そして多くの人たちに我々の活動を知っていただくことで、青年会議所の価値を高めていきましょう。


【むすびに】

戦後の荒廃の中、「新日本の再建は我々青年の仕事である。」という覚悟のもと日本の青年会議所が設立されました。その当時の想いを私たちは引き継げているのだろうか。社会基盤として情報と交通インフラの整備がされた現在に生きる私たちは、仕事や生活が速い速度で進んでいく社会において日々に忙殺され、人の役に立つことよりも、自分自身のことを優先していないだろうか。


この時代に同世代の人間として青年会議所で出会い、同じ志のもと会員と活動ができるのはこの一年しかありません。ぜひ、自分と違う価値観に多く触れ、価値観を認め合う中で多様性を産み出し、利他の気持ちを持って行動し地域とともに、個人が成長することができる一年にしていきましょう。